台湾の文房具産業について

色々な商品の検品で たくさんの商品を訪問していますが、日本のお客さんと話していて、いろいろなことが分かります。
日本でカスタマイズしたシャーペンとかボールペンを注文生産するには一社しか工場がないです。そこで、海外で安く購入したいということになると、中国製の危ないボールペン(書けないペン)を不注意に買ってしまいます。中国製のボールペンは 安いのですが、金属のペン先とインクは中国製で 書けないものが続出します。日本と中国以外で購入になると 台湾しかないです。台湾のボールペンは インクはドイツ製で ペン先はスイス製です。きれいに書けます。ですが、ここで注意しないと行けないのは 台湾にも 多くの中国製が入り込んでるので、契約時に 「インクはドイツ製で ペン先はスイス製」で生産すると契約することです。そうでないと書けないボールペンが出てきます。
ボールペンの表面には キャラクターなどを印刷することもありますが、このような印刷は透明なシートに印刷したものをペンに転写印刷する方法を使います。このシートの印刷ミニマムは ボールペンで3万本です。この数量で注文するのが 一番効率的です.台湾では 大きなペンの会社がありますが、そこは勧めません。たまにチョンボするからです。弊社は安全な工場を確保しています.

検品日記-工場監査

一流のバイヤーは注文を入れる前に 工場監査をします。でも、日本の会社の工場監査とは 工場を表面的に見るだけですね。僕が思うのは 台湾の工場の監査では 表面的なものよりも、工場の実態・経営者の人格まで含めて監査しないと行けません。例えば、台湾では 今年から週休二日になっていますが、台湾中南部では この土曜日の手当を払ってないところが多いのです。これはあっては行けないことです。実際のところ、台湾の残業手当の計算方法も無理があります。休日であるはずの土曜日を社員に働かせるには 従業員の給与を時給に直して、その2倍を払わないと行けません。この2倍という計算方法も多すぎます。これが勢い、サービス残業を余長しているのです。
最近あったのは 工場で検品していて、工場の経営者が心配だったのか、僕の前でずっと僕らの検品を見ていましたが、その際 その社長はずっと携帯電話で話していたのですが、電話の内容は聞こえてしまったのですが、どうもこの経営者は残業手当を払ってなくて、摘発されたみたいです。うちはハイテクではないので、残業手当は払わなくてもいいのじゃないかというものです。困ったものですね。台湾では このように政府の規定・法律に従わない工場がけっこうあります。こういうのは 経営者の人格の問題です。
欧米の一流バイヤーは 工場監査の際には 乱数表で 工員を指定して、数人からインタビューを行い、この工場は 法令順守しているか、しっかり残業手当を受け取っているか確認しています。悲しいことに 日本のバイヤーはそこまでのレベルに達していません。

 

台湾の靴下産業について

日本で売られている靴下は 日本製 台湾製 中国製が主なものです。
日本での生産コストは結構高いので、日本製を脅威とは考えていません。人件費と電気代ですね。ドン・キホーテとかの店頭で売られているキャラクター靴下は2/3は中国製で1/3は台湾製です。ですが、しっかり靴下をみると 中国製のは 発色の悪く、弾力のない糸を使っています。台湾製はしっかり作られています。どれも 小売り価格はどれも700円です。これは 靴下の業者が見ると すぐ分かります。日本の厳しい品質要求は 日本の販売店・輸入業者もよくわかっていることです。中国製は大きな問題を持っています。中国製が日本のマーケットで多いのは コストというとよりも、日本で大規模に販売する際に それに対応した生産規模・工場規模を持っている台湾系工場を日本の輸入業者が知らないことにあると思っています。靴下自体の生産コストは 中国と台湾で変わりません。中国製は安い糸と 安い編み機を使っているだけです。人件費はすでに台湾を超えています。台湾製の靴下は 発色がよく弾力性のいい糸を使っています。編み込み機も 台湾製で 最大7-8色までの糸を使えます。ですので、きれいなキャラクター靴下が作れます。
台湾の靴下メーカーをたくさん訪問してみると分かるのですが、すごく大きいところは 貿易会社から始まって、工場に転身したところです。こういう会社は 優秀な工場長を雇っていますが、それでも 社員では改革が断行できなく、僕のみるところ問題があります。効率的な工場経営ができてないですね。貿易会社から始まった会社なので、販売するセンスはいいです。中規模工場では 技術者上がりの経営者がやっているところは 十分な品質をだしているところがあります。こういうメーカーを世に出したいと思っています。このような中堅規模の工場もいいところと悪いところがあります。注意深く判断しないと行けません。台湾の靴下産業というのは 政府の支援策で、設備投資が非常に槍やくなっいます。非常に安い金利でお金を借りて機械を買えます。例えば、靴下工場に勤めて、数年もすれば、数台機械を買って工場を始められるので、小規模の工場がやたらと多いのです。こういうところは 工場内の制度が出来上がってないので、品質不良を起こすことが多いです。しっかりした台湾系の貿易会社経由での購入を勧めます.

 

台湾の労働事情 2016-8-3

台湾では 今年から週休二日が採用されました。昨年までは 台湾北部は とっくに週休二日だったのですが、台湾中部と南部では 土曜日は半日でした。それが、今年から週休二日なので、月にして勤務日が二日減ります。労働効率を10%も上げるというのは至難の業です。そこで、今年になっても、多くの台湾中南部の工場が残業手当を払わずに労働させています。最近労働基準局が煩く、やっと土曜日の勤務が無くなりつつあります。大きな工場から、違法状態が無くなりつつあります。